シリア化学兵器物質の廃棄、8割終了 期限内に達成か
(CNN) シリアのアサド政権が保持する化学兵器や材料の廃棄作業で、化学兵器禁止機関(OPCW)の執行理事会は19日、同国内に保管される同兵器関連物質の約80%の除去や廃棄が終了したと発表した。
アサド政権は今後数日内に兵器自体の破棄作業の完了へ向けての措置に踏み切ることになると述べた。この措置が始まれば、OPCWが最終期限として設定した今月末までの兵器廃棄が実現するめどが見えてくるとした。
シリアの首都ダマスカスで兵器廃棄作業に従事する国連とOPCWの共同チーム調整官は、一連の作業実施のペースが速まっていることは前向きな材料と評価した。
シリアの化学兵器問題では、米国が昨年、軍事力行使もいとわない強硬姿勢を打ち出したことでアサド政権が譲歩し、兵器の全廃方針を示していた。ただ、廃棄作業は遅れ気味で、ケリー米国務長官は今年1月、廃棄を強いるのに必要な選択肢は消えたわけではないと警告していた。
これを受けシリア政府は3月、OPCWに対し廃棄作業計画の改定案を示し、4月下旬を期限としていた。
OPCWは2月に発表した報告書で、廃棄のために国外へ搬出した兵器の量は11%に過ぎないとし、2月5日までに全兵器を除去するとの当初計画から大幅に遅れていると指摘していた。