インド総選挙で野党圧勝、モディ氏が次期首相就任へ
ニューデリー(CNN) インドで16日、総選挙(下院)の開票が行われ、最大野党インド人民党(BJP)を率いるナレンドラ・モディ氏(63)が、同国の次期首相として勝利宣言を行った。
インド選挙管理委員会によると、BJPは543議席のうち少なくとも275議席を獲得し、単独で過半数を確保したという。インドで、1つの政党が単独で過半数を獲得したのは実に30年ぶりのことだ。
モディ氏の勝利は以前から予想されていた。景気低迷、物価高騰が続く中、相次ぐ汚職問題で政権与党の支持率が低迷していたためだ。企業寄りと見られているモディ氏は、低迷するインド経済の再生に向けた経済改革を公約している。
モディ氏はヒンズー至上主義団体の支持を受けるなど、ヒンズー色が強く、選挙期間中もモディ氏と少数派のイスラム教徒との関係に注目が集まった。
2002年にグジャラート州でヒンズー、イスラム両教徒が衝突し、1000人以上(その大半がイスラム教徒)が死亡した。当時、同州の首相だったモディ氏は、衝突を阻止するための十分な措置を取らなかったとして批判されたが、昨年、最高裁が命じた調査でモディ氏の暴動への関与が否定された。
しかし米国は2005年、この反イスラム教徒の暴動を理由にモディ氏への渡航ビザ発給を拒否しており、モディ氏の首相就任で米国・インド両国の関係が緊張することが懸念されている。
しかし、ホワイトハウスによると、オバマ米大統領はモディ氏に電話し、総選挙の勝利を祝福するとともに、同氏をワシントンに招待したという。米国務省もモディ氏が首相に就任し、政権を発足し次第、米国への渡航ビザを発給するとしている。