米中制服組トップ、領有権問題巡る立場の違い鮮明に
(CNN) 米軍の制服組トップのデンプシー統合参謀本部議長と中国軍トップの房峰輝総参謀長が15日、米国防総省で共同記者会見し、南シナ海や東シナ海の領有権問題を巡る両国の立場の違いを鮮明にした。
会見ではまず、両氏が行った非公式会談について「率直」かつ「建設的な」話し合いができたと振り返った。
中国は現在、ベトナムとの間で南シナ海の西沙(英語名パラセル)諸島の領有権を巡って対立を続けているが、房総参謀長は「我々はトラブルを起こしていない。だがトラブルを起こすことも恐れない」と牽制(けんせい)。「領土問題に関する我々の姿勢は揺るがない。一歩も譲ることはない」と強調した。
これに対してデンプシー議長は「領土紛争が存在することは認めなければならない」と述べ、「現状がどうなっていて、誰がそれを変えようとしているのか」を見極める必要があると指摘した。
デンプシー議長の発言は暗に、現状を変えようとしているのは中国だとする米政府の見解をにじませている。
現在のベトナムとの衝突に加え、中国は尖閣諸島に対しても領有権を主張し、南シナ海のスカボロー礁などを巡ってはフィリピンとの間で領有権を争っている。
一方でデンプシー議長は、ハワイで行われる多国間の海軍演習「環太平洋合同演習(リムパック)」には中国も参加すると発表。年内には自身と房総参謀長を結ぶビデオ会議システムを確立すると表明した。