トルコ炭鉱事故の死者283人に、 デモ隊蹴る首相側近に非難
(CNN) トルコ西部マニサ県ソマの炭鉱で起きた爆発事故で、16日夜までに283人の死亡が確認された。同国エネルギー相が明らかにした。こうした中、エルドアン首相の側近がデモ隊の男性を足蹴にする写真が公表され、政権に対する怒りの声が一段と強まっている。
エネルギー相によれば、死亡が確認された283人のほか、3人が負傷して入院した。捜索救助作業は夜を徹して続けられているが、煙や炎に阻まれて作業ははかどっていない。
救助隊は、ガスマスクや酸素を装備した避難区画に逃げ込んだ作業員がいるかもしれないとの希望を捨てていない。しかしそうした区画の1つからも14人の遺体が見つかり、エネルギー相は「(生存者発見の)望みは薄れている」と語った。15日には犠牲者の葬儀が営まれた。
一方、エルドアン首相側近の問題写真は事故発生翌日の14日に首相が現場視察に訪れた際に撮影された。兵士2人によって地面に組み伏せられた男性を、スーツ姿の側近が足蹴にしている場面をとらえている。
この側近は現地の通信社の取材に対して同日夜、「ありとあらゆる挑発や中傷や暴行を前に、冷静さを保てなかったことを悲しく思う」とコメントした。
写真とは別にエルドアン首相がこの日行った演説に対しても、無神経だとの批判が集中。同日夕にはイスタンブールや首都アンカラで反政府デモが開かれて数百人が参加した。これに対して警察は放水や催涙弾で対抗した。