バルカン半島で洪水 死者20人以上、1万6300人が避難
(CNN) バルカン半島のセルビアとボスニア・ヘルツェゴビナで豪雨による洪水が発生し、17日までに確認されただけで20人の死者が出ている。
セルビア政府の当局者が17日に発表したところによると、同国で少なくとも15人、ボスニアで5人が死亡した。セルビアでは1万6300人以上が避難し、このうち1100人はヘリコプターで運ばれたという。
専門家らによれば、過去120年間に及ぶセルビアの観測史上、最悪の洪水となった。
ボスニア政府は非常事態宣言を出した。2日以内で通常の2カ月分に相当する雨量を記録した町もあるという。
セルビア西部のサバ川沿いでは18日夜にもさらに激しい雨が予想される。同国のブチッチ首相によると、川には高さ7.3メートルのダムが新設されたものの、すでに水位は6.3メートルを超えている。同首相は「困難な状況だが、できる限りの備えをしている」と語った。
セルビアの首都ベオグラードから南西へ約30キロ離れた町は全体の90%が洪水に見舞われたと推定され、捜索作業が進むにつれて犠牲者がさらに増える恐れがある。
捜索、救助活動には1万人以上の軍兵士が出動している。ブチッチ首相はロシアの特殊部隊をはじめ、多くの国からの支援に感謝すると述べた。