タイ国軍、クーデターを宣言 市民は平静
バンコク(CNN) 政治的混乱が続いていたタイで22日、国軍トップのプラユット司令官がテレビ演説を行ってクーデターを宣言した。軍が権限を掌握して憲法は停止され、政権幹部らは拘束された。
軍は20日に戒厳令を発令し事態打開に向けて与野党幹部や政府支持派と反対派のデモ指導者を集めて会議を開いていた。
しかし政府支持派の弁護士によれば、22日の会議に出席していた政治指導者らは軍に連行され、拘束されたという。
軍は声明を発表し、新首相が決まるまでプラユット司令官が首相を代行すると表明。2007年に制定された憲法は、国王を国家元首と定めた第2条を除いて無効とした。
タイ全土で学校は23日から25日まで休校となり、午後10時から午前5時までの夜間外出禁止令が発令された。国営テレビや衛星テレビ、ケーブルテレビは軍の放送のみを流すよう命じられ、現地のCNNは放送禁止となった。
プラユット司令官はテレビ演説で今回の措置について、秩序を回復し、改革を促すために必要だったと強調した。市民には普段通りの生活を続けるよう促し、公務員も職場に戻るよう指示。外国人は旅行者や外交官も含めて安全を確保するとした。