サウジで比の家政婦虐待か 熱湯でやけど、食事も与えられず
(CNN) フィリピン労働省は22日までに、中東サウジアラビアの首都リヤドへ出稼ぎに行っていたフィリピン人家政婦(23)が雇い主の母親から熱湯を背中や腕、足に浴びせられ、大やけどを負う虐待を受けたと発表した。
同省の声明によると、雇用主の母親の自宅で今月4日に起きた暴行で、両者間の「単純な誤解」が原因だったという。この誤解の詳細は不明。
被害者の女性によると、リヤドに到着して働き始めた数日後、雇用主は女性が懐郷の念などを漏らした後に蹴ったり、むちで打ったりする暴力を振るうようになった。食事も取り上げられたという。
食事の残り物を全て投げるよう命令されたが、空腹を覚えた時には応じられなかったともしている。
比女性は病院に運ばれたが、リヤドに住むいとこに連絡して病院から抜け出した。いとこはその後、フェイスブック上で女性のやけどの写真などを掲載し、被害を訴えた。携帯電話などで撮影されたビデオ画像は比のCNN系列局ABS-CBMにも提供され、助けなどを求める女性の姿が伝えられた。CNNはこの画像の真偽を確認出来ていない。
比政府は女性による雇用主に対する異議申し立てを支援すると発表。また、女性の働き先を決めたサウジの雇用企業との契約を中断した。サウジの地元紙アラブ・ニュースは21日、リヤドの警察は比側との合同捜査を行っていると伝えた。
女性は現在、リヤド市内にある比大使館の保護施設におり、精神的に落ち着いて元気だという。
サウジでは過去にもインドネシア人家政婦らに対する虐待容疑が取り沙汰され、外交問題にも発展していた