改宗拒み死刑判決受けた女性、獄中で出産 スーダン
(CNN) スーダンでキリスト教の信仰を捨てることを拒んで死刑判決を言い渡された女性が、拘置所で女の子を出産した。弁護人が27日に明らかにした。女性を告発したのは実の兄弟だったことも明らかになった。
関係者によると、この女性、メリアン・イェイヤ・イブラヒムさん(27)は26日に首都ハルツームの拘置所で出産した。夫の立ち合いは認められなかったという。
イブラヒムさんは改宗を拒んだために、イスラム教の教えに背いたとして背教の罪に問われ、2週間ほど前に死刑判決を言い渡された。弁護側はこの判決を不服として控訴している。
現在は1歳8カ月の息子と共に拘置所で過ごしているが、息子は拘束されているわけではないという。ただ、米国籍の夫は車椅子で生活しており、全面介護が必要な状態にある。
2審判決はハルツームの高裁で6月2日の週にも言い渡される見通し。弁護人は「高裁が1審判決を覆し、女性を釈放してくれることを願う」と話している。
イブラヒムさんは、イスラム教徒のスーダン人の父と、キリスト教徒でエチオピア人の母の間に生まれ、6歳の時に父がいなくなったためキリスト教徒として育ったと話している。
裁判所は5月15日までにキリスト教の信仰を捨てるよう迫ったが、イブラヒムさんは応じなかった。
一方、スーダン議会議長は、イブラヒムさんはイスラム教の環境の中で育ったと主張。イブラヒムさんを告発したのはイスラム教徒の兄弟だったことも明らかにした。
告発状では、イブラヒムさんは数年の間行方不明になり、その後キリスト教徒と結婚していたことが分かって家族はショックを受けたとしている。