天安門事件から25年 後世に与えた影響は
当時CNNで24時間生放送の司会を務めたバーナード・ショー氏の言葉を借りれば、ここから「CNN効果」と呼ばれる概念が生まれた。テレビのニュースが24時間、生放送で事件を伝え続ける「即時性」が、当事者たちの行動にも決定的な影響を与えるという説だ。
米国の自由の女神像を模して広場に作られた「民主主義の女神」や、戦車の前に立ちはだかる男性の映像は、民衆による抗議行動の象徴として人々の記憶に残った。
米国では報道機関と世論、外交政策の関係が見直され、72年のニクソン大統領訪中以来続いていた中国との蜜月時代が終わるきっかけとなった。
天安門事件とその映像は現在に至るまで、国際社会の中国に対するイメージを形作ってきた。
米議会が今年5月末に開いた天安門事件についての公聴会でも、与野党の議員がそろって「国民が持つ中国のイメージは事件当時のテレビニュースに影響された」と強調した。
天安門事件の影響は、中国国内にも根強く残っている。
当時の最高実力者、鄧小平氏は事件を受けて、学生たちに同情的な立場を示した改革派の幹部を排除し、保守派を後任に置いた。