韓国船沈没、船長が殺人罪否認 初公判
韓国・光州(CNN) 韓国の旅客船セウォル号の沈没事故で、イ・ジュンソク船長ら乗組員15人が殺人罪などに問われている裁判の初公判が10日、光州の裁判所で開かれた。犠牲者の遺族は船長らに罵声(ばせい)を浴びせるなどして怒りをぶつけた。
法廷では遺族の代表者が「私たちの時間は止まったまま。制服を着た生徒を見ると、わが子もただいまと言って家に帰って来る気がしてしまう」と訴えた。
船長は殺人罪を否認した。弁護人は「乗客全員が救助される前に船から脱出したことについて、本人はすでに罪悪感を抱いている」と強調。船長はこの船の操縦経験が浅かったことや、救助されたのが乗組員の中では最後だったこと、事故の一因とされる貨物の積載には責任を負っていなかったことを指摘し、上層部からの「責任転嫁」だと主張した。法廷内ではこれに対して反発の声が上がった。
捜査当局によると、セウォル号には積載可能とされる重量の2倍の貨物が積み込まれ、固定も不十分だったことが明らかになっている。