安倍首相、捕鯨再開に意欲 NZなどは懸念表明
(CNN) 国際司法裁判所(ICJ)が南極海での日本の調査捕鯨を国際条約違反と判断した問題を巡り、安倍晋三首相は9日の参院決算委員会で、商業捕鯨の再開を目指す意向を示した。これに対してニュージーランド政府などが懸念を表明している。
日本はICJの命令を受け、南極海での調査捕鯨を中止している。安倍首相は「日本の文化の一部がなかなか理解されていないのは残念」と語り、「鯨資源の管理に不可欠な科学的情報を収集すること」を目的に捕鯨再開を目指すと述べた。
ICJではオーストラリアが「日本の活動は調査を口実にした実質的な商業捕鯨だ」と訴えて中止を求め、ニュージーランドなどもこれを支持した。
ニュージーランドのマカリー外相は10日、「安倍首相が当面何を提案しているのか正確には分からない」としたうえで、「議会の委員会という場でこのように発言したこと自体が残念だ」と話した。
反捕鯨団体シー・シェパードのオーストラリア代表、ジェフ・ハンセン氏もCNNとのインタビューで、首相の発言に「驚きはないが失望した」と述べた。