エボラ出血熱の死者350人に、「制御不能」 西アフリカ
現時点で現地入りして治療に当たっている援助団体は国境なき医師団のみ。3月の発生以来、300人以上を派遣し、40トンあまりの物資を送り込んできた。しかしそうした対策は既に限界に達し、「もはや新たな流行が発生した場所にチームを派遣できなくなった」と説明。流行を食い止めるためには、地元政府や支援団体などの大規模な動員が必要だと呼びかけている。
WHOは7月2~3日に衛生当局による高官級協議を開き、現地への物資輸送や専門家の派遣について話し合う。
エボラウイルスのワクチンや治療法は存在しない。しかし初期段階で手当てを受ければ命を落とさずに済むこともある。致死率は通常90%に達するが、今回の場合は60%程度にとどまっている。
ウイルスに感染しても、発症していなければ他人に感染させる恐れはないとされる。衛生当局などは住民に対し、かぜのような症状が出た場合は地元の医師や国境なき医師団の診察を受けるよう促している。