難民キャンプでポリオ流行の恐れ、WHOが警告 パキスタン
(CNN) パキスタン軍による同国北西部の北ワジリスタン地区でのイスラム武装勢力の掃討作戦が続くなか、世界保健機関(WHO)は25日、紛争を避けて難民キャンプに避難した住民の間でポリオ(小児まひ)が流行する危険が高まっていると警告を出した。
この半月の間に難民化した北ワジリスタン住民の数は45万人に上ると見られている。パキスタンのバロチ国境問題担当相は同日、「軍の作戦が続けば、この数は60万人に達する恐れがある」と述べた。
軍高官らによれば、多くの避難民は隣接するカイバル・パクトゥンクワ州の難民キャンプに身を寄せたという。
WHOの広報、ニマ・サイード氏はイスラマバードで記者団に対し、「北ワジリスタンではこれまでで最も多いポリオの発生例が確認されている。ポリオが発生しやすい地域からの避難民の大量流入が、流行のリスクを拡大させている」と述べた
WHOは対応に追われている。サイード氏によれば避難民たちは「ウイルスの拡散を防ぐため、途中でポリオワクチンの接種を受けている」という。
ポリオは感染力が強く、主に幼い子どもがかかり、まひを起こしたり、命に関わることもある。ワクチンを接種すれば予防は容易だが、感染してしまうと治療法はない。