イラク首相、スンニ派部族に恩赦を約束
(CNN) アルカイダ系武装組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が攻勢を強めているイラクで、マリキ首相は2日、テレビ演説を行い、反政府闘争に関わったスンニ派の部族民に対し恩赦を与えると発表した。ただし、イラク軍の兵士殺害に関与したケースは除くという。
イラク北部ではISISが主要都市を占領するなど混乱が続いている。
マリキ首相はまた、イラク議会が再開されて大統領と首相を選出できるよう期待すると述べた。
イラクでは1日、4月の国民議会選挙後初めての議会が開かれた。だが新しい首相と大統領を選ぶことができないまま休会に追い込まれた。再開は来週を予定している。
議長によれば、国民議会は328人の全議員のうち255人が出席すれば開会できる。だが休憩後に90人の議員が戻ってこなかったため、定足数を満たすことができなくなったという。
マリキ首相率いるシーア派主導の政府は、欧米諸国やアラブ諸国から、少数派であるスンニ派からも人材を登用するよう圧力を受けている。スンニ派の間では、政府による政治プロセスから排除されているとの不満が高まっている。
こうしたなか、スンニ派の一部がISISに加わったり、ISISへの抵抗を行わなかったりするといった話も伝わっている。
イラク憲法では、議会は招集から75日以内に首相を選ぶことになっている。だが前回の首相選出には10カ月近くを要した。