エルサレムで衝突、ガザ空爆 少年殺害で対立激化
エルサレム(CNN) エルサレムで2日、何者かに拉致された17歳のパレスチナ人少年が遺体で発見された。警察は、イスラエル人の少年3人が殺害された事件に対する報復の可能性もあるとみて調べている。
事件を発端としてイスラエルとパレスチナの対立も激化している。エルサレム市内では少年の殺害に抗議するパレスチナ住民とイスラエルの治安当局が衝突して多数が負傷。イスラエルは3日未明、パレスチナのガザ地区を空爆した。
エルサレムのシュアファット地区に住むパレスチナ人のムハンマド・アブ・クデールさん(17)は2日午前4時ごろ、自宅からモスクに向かう途中で男3人に拉致されて車で連れ去られた。約1時間後にエルサレム市内の林の中で遺体が見つかり、DNA鑑定でクデールさんと確認された。
イスラエル警察は、パレスチナで30日にイスラエル人少年3人の遺体が見つかった事件に対する報復だった可能性もあるとみて、捜査を進めている。遺体は焼け焦げ、暴行された形跡があったという。
今回の事件についてイスラエルの首相報道官は2日、私的制裁を慎むよう全関係者に呼びかけると述べ、「イスラエルは法治国家であり、誰もが法に従って行動しなければならない」と強調した。
米国務省のケリー長官はネタニヤフ首相との電話会談でパレスチナ人少年の死に哀悼の意を表し、「報復行為はただでさえ不穏な状況を一層不安定化させる」と懸念を示した。