「米スパイ」のドイツ人逮捕、NSA絡みの政府文書を売却か
(CNN) ドイツの検察当局が、外国情報機関のためにスパイ活動に従事していたドイツ人の逮捕を命じていたことが6日までにわかった。地元メディアは、この容疑者はドイツの情報機関の職員としている。
外国情報機関の所属国は不明だが、ドイツ外務省は4日、駐ドイツ米国大使を呼び、今回のスパイ容疑問題について協議。外務省は声明で、同省高官が米大使に問題の迅速な解決への努力を求めたと述べた。
検察当局などは、スパイ容疑事件の詳細について言及を避けているが、地元メディアは容疑者は政府文書を盗んだ罪にも問われていると報道。この文書には、米国家安全保障局(NSA)による盗聴問題に関するドイツ議会の特別調査委員会が入手した情報も含まれているという。
容疑者はこれらの文書を米情報機関関係者に数千ドルで売り付けたとの報道もある。
ドイツの連邦検察庁は先月初旬、NSAが外交政策などの情報収集活動に絡みドイツのメルケル首相の携帯電話を盗聴していたとする疑惑を刑事捜査するとの方針を表明。同首相は5月の訪米で、オバマ大統領と携帯盗聴問題などで協議したが共同記者会見では見解の対立が露わになっていた。
メルケル氏は、技術的な能力や安全保障上の必要性と、個人情報との間にはバランスある対応が必要とし、目的は手段を正当化しないと主張していた。