フィリピンの台風被害 死者38人に激増、35万人が避難

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大雨の中を走るバイク。台風による死者は38人に達した

大雨の中を走るバイク。台風による死者は38人に達した

(CNN) フィリピンのルソン島などを直撃した台風9号の被害で同国の災害対策管理当局は17日、犠牲者は少なくとも38人に増えたと発表した。15日深夜の時点では1人と報告しており、激増したことになる。

ケソン州ルセナ市で家族3人などの死亡が確認された。当局によると、負傷者は10人で、行方不明者は8人。台風の接近に伴い全国の市町村での避難住民は最大35万人に達した。

台風9号は15日夜、ルソン島東部のレガスピ市近くに上陸。台風の目がマニラ市に最も接近したのは現地時間の16日午前7時ごろの同市南部での約25キロだった。この影響で停電が相次いだが、首都圏では現在、世帯などの84%で復旧した。

台風9号の勢力は一時、ハリケーンの威力を示す5段階規模で「カテゴリー3」に相当したが、その後、最大風速が約42メートルの「カテゴリー1」まで弱まった。ただ、大雨による洪水や地滑り発生への警戒は依然必要としている。

台風9号はフィリピンを抜けて西へ進んでいるが、南シナ海の気象条件に煽られて再度勢力を強め中国南部近くへ向かう可能性がある。カテゴリー3に成長し、海南省北部を現地時間の18日夕にもかすめるとの予測もある。

フィリピンは例年、平均8~9個の台風や暴風雨に見舞われている。昨年11月には中部レイテ島を大型台風が襲い、死者6250人以上、行方不明者が1000人以上の甚大な被害が出た。台風9号は同国にとって今シーズン初めての台風だった。

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