ユダヤ人小学校のバスに乱入し生徒を威嚇、少年の集団 豪州
(CNN) オーストラリアのシドニー市東部の郊外で9日までに、走行中のユダヤ人小学校の学校バスに少年6人が突じょ乗り込み、約40分間にわたって「ヒトラー万歳」「ユダヤ人殺害」などと口走り、暴力もちらつかせて生徒二十数人を恐怖に陥れる事件が起きた。
負傷者の有無は伝えられていない。事件は6日に発生したもので、容疑者は生徒の両親の通報を受けた警官がバスに急行する前に逃走していた。
地元警察によると、5人を7日に逮捕し、6人目に自首を呼び掛けた。地元メディアのスカイニュースによると、少年たちの年齢は15~17歳。立件はまだされておらず、両親の元に帰されたという。
バスには3カ所にある学校の生徒が乗車し、帰宅途中だった。年齢は5~12歳。
警察の調べや生徒の地元メディアへの証言によると、容疑者は反ユダヤ的な中傷を口走る他、麻薬の利用も白状し、生徒にも与えようとしたという。酒のボトルも持ち、酔っていたとの情報もある。
乗っていた複数の生徒が携帯電話で両親に連絡、興奮状態で泣きながら助けを求めていた。娘3人が乗っていた母親は地元メディアに、子どもは「のどをかき切る」と脅されたと証言した。
学校バスの運転手が少年たちの行動の阻止に努めたのかは不明。当局への連絡を試みたのかもわかっていない。
地元警察の幹部によると、容疑者は学校バスの利用証明書を使って乗り込んだとみられ、一部は学校の制服を着用していた。今回の騒動については無差別的で単発の事件と受け止めている。
ただ、ニューサウスウェールズ州のユダヤ人組織の幹部は不快な事件とし、「我々の社会では人種差別的な行動は一切受け入れられない」と反発した。同州政府とユダヤ人指導者などは学校バスの警備強化の検討も開始した。