米に不法越境のメキシコの未成年者、成功まで何度も挑戦
同センターの責任者によると、メキシコの未成年者らが母国を捨て、米国を目指す理由は貧困と故郷などでの暴力多発の2つの要因が大きいと主張した。
違法越境に挑む子どもらは米国と国境沿いにある州の出身者が多い。米テキサス州南部と接するタマウリパス州出身の拘束者は全体数の4分の1以上に当たる3077人を記録。この他、米アリゾナ州と隣接するソノラ州は1160人、オアハカ州884人、ゲレロ州750人、グアナフアト州716人やミチョアカン州645人などとなっている。
タマウリパス州では近年、麻薬密輸組織間の縄張り争いが激化。ミチョアカン州では昨年、麻薬密輸組織とこれに対抗する武装民兵組織の衝突が目立った。
米、メキシコ国境間では最近、中米諸国の未成年者による単独などの密航が目立ち、米政府は対策に苦慮している。2008年に制定された人身売買関連の法に基づき、子どもの移民は米厚生省などによる審査が定められている。ただ、この法律はメキシコとカナダの未成年者は対象外となっており、メキシコの場合は即時の本国送還となる。
同センターによると、メキシコの未成年者の密航者は10代後半の男性が多いが、中米諸国の場合は全ての年齢層にわたり、12歳以下の例もある。また、少女の比率が高くなっているという。