危険にさらされるジャーナリスト
(CNN) 過激派組織「イスラム国(IS)」による米国人ジャーナリスト殺害が相次ぐなか、世界の報道機関はスタッフの安全確保に手を尽くしている。だが、最も身の危険にさらされているのはフリーランスのジャーナリストや自国の紛争を伝える記者たちだ。
ジャーナリスト保護委員会(CPJ)の推計では、シリアの内戦では少なくとも70人のジャーナリストが殺害された。80人以上が誘拐され、約20人が今も行方不明となっている。
例えば2日にISに殺害された動画が公開されたスティーブン・ソトロフ氏は、昨年8月にシリアを取材中に行方不明となった。先月、やはりISに殺害されたジェームズ・フォーリー氏もシリアで誘拐された。
また国際報道安全協会(INSI)は、先週ガザで1人、パキスタンで3人の報道関係者が死亡したと伝えた。
INSIによれば、現在リスクが高い国はイラク、シリア、パキスタン、アフガニスタン、イエメン、ソマリア、エジプト、チャド、中央アフリカ共和国、コンゴ民主共和国とナイジェリアだ。
フリーのジャーナリストを支援している「ローリー・ペック・トラスト」によれば、事前に危険な場面での対応を訓練する、警護をつけるといった対策は可能だ。だが多くのフリージャーナリストは限られた予算の中で活動しており、結果としてさらなる危険に身をさらすことになっているという。
また同トラストのティナ・カー事務局長は、外国で殺害されたケースが大きく取り上げられてニュースで話題となりやすいが、ジャーナリスト殺害の大半は自国での取材中に起きていると指摘する。自国の紛争を取材しているジャーナリストは状況が切迫しても、また取材活動がばれて身に危険が迫っても、国を離れることができないからだ。