女子教育唱えるマララさん銃撃事件で10人逮捕、パキスタン軍
パキスタン・イスラマバード(CNN) パキスタン軍は12日、女子教育の権利を訴えていた少女マララ・ユスフザイさん(17)が2012年10月にイスラム過激派に銃撃され、重傷を負った事件で、容疑者10人を逮捕したと発表した。
事件は北西部カイバル・パクトゥンクワ州スワート地区で、当時15歳のマララさんが学校バスで帰宅中に発生。単独犯が撃った銃弾を頭部に浴びたもののパキスタンや英国で手術、治療を受け、回復していた。他の2人も負傷していた。
事件は国際社会に衝撃を与え、マララさんの主張への支持が広まっていた。
パキスタン治安当局によると、逮捕者は反政府武装勢力パキスタン・タリバーン運動(TTP)に関与し、TTPのファズルラ指導者が襲撃命令を与えていた。10人はスワート地区で逮捕された。
女性の教育を否定するTTPは事件への関与を認め、犯行の動機についてはマララさんは不信心者の象徴などと主張していた。
マララさんは同地区で生まれ、2009年ごろから女子教育の正当性を唱える活動を開始。TTPの脅迫などを無視して登校を続け、英BBC放送にも匿名のブログを載せ、自らの苦境を伝えていた。TTP構成員に自宅を襲われ、教科書を隠す被害も起きていた。
今年の夏にはアフリカのナイジェリアを訪れ、イスラム過激派「ボコ・ハラム」に武器を捨て、イスラム教の悪用を止めるよう促していた。同派は今年4月、北東部チボックで学校を襲い、女子生徒ら推定276人を拉致する事件を起こしていた。