回復医師の血液でエボラ出血熱を治療 患者は快方に
(CNN) 西アフリカのリベリアでエボラ出血熱に感染し治療のために帰国した米国人のリック・サクラ医師が、快方に向かっていることが明らかになった。治療に使われたのは、実験段階の治療薬「Zmapp」の投与を受けて回復したケント・ブラントリー医師の血液だ。
サクラ医師は現在、ネブラスカ州立大学医療センターで治療を受けている。
サクラ医師とブラントリー医師の血液型は同じ。医師団は、ブラントリー医師の血液に含まれる抗体がエボラウイルスを撃退するのに役立つと考え、少なくとも2回にわたってブラントリー医師の血漿をサクラ医師に輸血した。
2人は同じ援助団体に派遣されてリベリアでエボラ出血熱患者の治療に当たっていた。
「2人には共通点が多いから、同じ血液型だと聞いたときも驚かなかった」と、サクラ医師の妻のデビーさんは言う。
医師団によれば、サクラ医師の容体は日に日に改善している。
「残る手段はこれしかなかったが、それが非常にうまくいった」と、医師団のフィル・スミス医師は述べた。「(輸血によって)免疫を急激に高められるのではと期待した」
現時点では容体が再び悪化する気配はないという。だがアフリカで治療に当たっている専門家からは、一時的に快方に向かっても、その後急激に悪化する例がしばしばあると伝えられており、医師団は治療が成功したと言うのは時期尚早だと考えている。
具体的な名前は明らかにされなかったが、サクラ医師には開発中の新薬も投与されている。この薬の効果もあったと医師団はみている。