300人殺害のコロンビア麻薬組織の元殺し屋出獄、模範囚で
裁判で殺人罪の有罪判決を受けたのは、1989年の大統領候補殺害の1件のみだった。今回の釈放は刑期の4分の3を務めた後に実施された。
ベラスケス氏は刑務所でのメディアとの会見などで、兵士、警官、対立する麻薬カルテル構成員や一般市民ら約300人の殺害を告白。首都ボゴタ、メデジンやカリなどの都市で車爆弾を仕掛け、殺害したことも認めた。
また、多数の政界指導者の抹殺にも加担し、1988年1月には拉致した検察長官を殺害したことも自供。同月にはボゴタ市長選に立候補していた政治家アンドレス・パストラナ氏も誘拐していた。パストラナ氏はその苦境を克服し、98年から02年までは大統領を務めていた。
ベラスケス氏は12年、パストラナ氏と獄中で面会し、自らの犯罪を氏と家族に謝罪。「非常に大事な人生を危うくしたメデジン・カルテルによる悪行への許しを心の底からわびたい」とも述べていた。また、自らが手を染めた犯罪で被害者の体を切断したことを深く悔い、神にすがる気持ちが深まる契機になったことを打ち明けていた。