ローマ法王、訪問先アルバニアで「宗教共存」を呼び掛け
(CNN) ローマ法王フランシスコは21日、イスラム教徒が多数を占めるアルバニアを訪問した。複数の宗教が平和的に共存する例として同国をたたえ、宗教の名を借りた暴力を非難した。
法王は特定の武装勢力の名を挙げずに「人間の尊厳と基本的人権、特に生存権や信教の自由を侵す行為の口実として、宗教を使ってはならない」と強調した。
法王は先月の発言でイスラム教スンニ派の過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」を名指しし、「不当な攻撃者」と非難していた。
アルバニアは冷戦終結まで旧ソ連圏に属していたが、現在は欧州連合(EU)への加盟に意欲を示す。米中央情報局(CIA)の統計によると、イスラム教徒が国民の56%を占め、カトリックが10%、ギリシャ正教が7%となっている。
法王が同国を訪れるのは20年ぶり。法王フランシスコにとってはイタリア以外の国では欧州で初の訪問先となった。
首都ティラナの大統領府へ向かう沿道では、法王のオープンカーに多くの市民が歓声を送った。その後、市中心部のマザーテレサ広場でミサが行われた。