学生43人の失踪事件で市長夫妻を逮捕 メキシコ
メキシコ南部チルパンシンゴ(CNN) メキシコ南部ゲレロ州の都市イグアラでの抗議デモに向かっていた学生43人が行方不明となった事件で、同国の捜査当局は4日早朝、「首謀者」とされる同市の市長夫妻を逮捕した。学生らの消息は依然として不明のままだ。
イグアラ市長のホセ・ルイス・アバルカ容疑者と妻のアンゲレス・ピネダ容疑者は、メキシコ市内に借りた家に隠れているところを発見された。両容疑者をかくまっていたとされる女も逮捕された。
ペニャニエト大統領は逮捕の知らせを受け、「事件が解決に向かうことを期待する」と述べた。
当局の調べによると、行方不明になっているのは、教員になるためにイグアラ近郊の大学で学んでいた20代の男性ら43人。イグアラでの抗議デモを計画し、9月26日にバスや車を連ねて同市内へ向かった。
この情報をつかんだアバルカ容疑者は、当時の市警察トップにデモを阻止するよう命じた。警察は市内へ通じる主要道路を封鎖し、学生らの車に向けて発砲。学生少なくとも1人が死亡した。
警察は残った学生らを地元の犯罪組織に引き渡したとされる。この組織は警察組織に入り込み、市長夫妻や警察トップと通じていたという。
当局はこの事件に絡んですでに60人を拘束し、事件直後に姿を消した市長夫妻の行方を追っていた。警察トップにも逮捕状が出されたが、居場所はわかっていない。
事件を巡ってはメキシコ各地で抗議デモが起き、ゲレロ州の知事は対応の遅れを理由に休職に追い込まれた。