エジプト過激派、ISISに忠誠表明か シナイ半島に拠点
カイロ(CNN) エジプトのシナイ半島に拠点を置くイスラム過激派「アンサール・バイト・マクディス」(ABM)は13日までに、イラクやシリアで台頭するイスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国」(ISIS)に忠誠を誓うとする声明を発表した。
ユーチューブに掲載した音声メッセージで明らかにしたもので、ISISを「新たな夜明けの出現」と称賛。数十年にわたるイスラム教徒の受難の責任は独裁者、ユダヤ人の代理人やその同盟にあると非難した。
一方で、エジプト国営のネットメディアはABMがISISへの献身の表明を否定したとする記事を掲載した。米国務省のサキ報道官はABMとISISとの関係について分析すると述べた。
ソーシャルメディア上では以前、ABMがアルカイダ最高指導者ザワヒリ容疑者への忠誠を誓ったとするメッセージが流れたが、後になりABMがこれを打ち消していた。ABMでISISやアルカイダなど国際的な過激派への支持表明をめぐり、内部対立があるとの分析もある。一方に肩入れした場合、同組織が外国の代理人と受け止められ、国内の支持を失うとの見方もある。
今回の声明の真偽は不明だが、ABMは2012年以降、大胆かつ巧妙な手口の襲撃が目立ち、これまで数百人規模の警官や兵士を殺害したとされる。シナイ半島では先月、最大規模の攻撃を仕掛け、兵士少なくとも31人を殺していた。この事件後、同半島の北部では3カ月間の外出禁止令が敷かれた。
ABMの戦闘員数は数百人から約1000人とみられている。
攻撃の標的はこれまでエジプト政府が中心だったが、ISISへの忠誠表明で民間人や観光地が今後狙われる可能性がある。