エジプトのムバラク元大統領に「無罪」 抗議デモで死傷者
カイロ(CNN) 2011年の民主化運動「アラブの春」の際にエジプトのムバラク元大統領(86)がデモ参加者の殺害に関与したとして罪に問われた裁判の再審理で、カイロの刑事裁判所は29日、元大統領に事実上の無罪を言い渡した。カイロ中心部のタハリール広場付近では、判決を受けて起きた抗議デモで参加者が治安部隊と衝突し、1人が死亡した。
ムバラク元大統領は11年の「アラブの春」でデモ隊参加者への発砲を命じたとして、12年に殺人罪で有罪となり終身刑を言い渡されたが、昨年再審理を認められていた。判事はこの日、元大統領を殺人罪で裁く権限がないとの判断を下した。
元大統領と同時に、同様の罪に問われていたアドリー内相とその側近6人にも無罪の判断が下された。
元大統領はまた、2人の息子とともに汚職罪にも問われていたが、3人とも無罪となった。
これらの判断に対し、検察が上訴する可能性もある。