エジプトのムバラク元大統領に「無罪」 抗議デモで死傷者
脳卒中などの重病が伝えられている元大統領はこの日、収容先の軍病院から担架で出廷。判決の言い渡しを受けてほかの被告がその頭にキスをすると、うなずいて応じた。この後、国内テレビ局との短い電話インタビューで「何の罪も犯していない」と語った。
ただ、すでに今年5月に横領罪で禁錮3年の罪を言い渡されているため、引き続き軍病院で拘束される見通しだ。息子2人も同じ横領罪で禁錮4年を言い渡された。
カイロ中心部のタハリール広場付近では、判決を受けて数百人が抗議デモを実施し、治安部隊と衝突。警官隊はデモ隊からの投石に催涙ガスや散弾銃で反撃した。保健省当局者によると、この衝突で1人が死亡、9人が負傷した。
エジプトではムバラク元大統領が政権を追われた後、12年に同国初の民主的な選挙でイスラム系のムルシ前大統領が就任。ムルシ氏は元大統領を終身刑でなく、死刑にするべきだと主張していたが、同氏自身が昨年7月の軍事クーデターで排除された。