中国、英議員団の香港訪問を拒否 英首相が懸念表明
香港(CNN) 英国が今月末、香港情勢を調査するために計画していた議員団の派遣が、中国政府に拒否されている。英国のキャメロン首相は1日、中国側の対応は「非生産的」だとして遺憾を表明した。
英下院外交委員会の議員団は、中国への香港返還を決めた1984年の中英共同宣言の実施状況を英外務省がどう追跡しているかを検証する調査の一環として、香港を訪問する予定だった。
香港ではこの2カ月間、行政長官選挙の民主化を要求する学生らが道路の占拠などを続けている。
英下院の外交委員長を務めるリチャード・オタウェイ議員は先週、中国政府が議員団の香港入りを拒否していることを明らかにし、「あからさまな敵対姿勢だ」と反発を示していた。
これに対して中国外務省の報道官は1日の定例記者会見で、「英国側には、調査と称する派遣団に断固として反対すると繰り返し伝え、中止を求めてきた」「一部の英議員が強行しようとするなら、それこそが敵対姿勢だ」と主張した。
オタウェイ議員は同日、「香港住民の声を聞く計画を中止する予定はない」と強調した。同議員によれば、中国の駐英次席大使は「香港はすでに返還された中国の領土であり、内政干渉は許さない」と述べ、さらに「議員団の訪問は香港のデモ隊による違法行為をあおる恐れがある」との懸念を示したという。
英紙テレグラフによると、キャメロン首相の報道官は1日、中国側の拒否は「懸念を打ち消すどころか、募らせるだけだ」と指摘した。英下院では2日、この問題についての緊急会合が開かれる。