UAEで米国人女性殺害、容疑者の「単独テロ」か
(CNN) アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビにあるショッピングセンターのトイレで先週、米国人女性が刃物で刺されて死亡した。UAE当局は容疑者の女を特定し、単独のテロ行為だったとの見方を示している。
UAE内務省によると、容疑者はイエメン出身でUAE国籍の女。犯行を認めたとされるが、名前は公表されていない。当局者が国営首長国通信(WAM)に語ったところによると、同容疑者は最近、テロ組織のウェブサイトにログインしたことが分かっている。
殺害された米国人のイボリャ・ライアンさん(47)と容疑者は面識がなかったとみられる。ライアンさんはルーマニア生まれで、米国とハンガリーの国籍を持つ。17年の教師歴があり、元夫の出身地、米コロラド州で教員を務めていたが、昨年から3人の子どもとともにアブダビで暮らし、教職に就いていた。
現場はアブダビに最近開発され、外国人らの人気を集めているリーム島のショッピングセンター。センター内の防犯カメラには、容疑者とみられる人物がベールを着け、落ち着いた様子で駐車場からの入り口を通る姿が映っている。この人物はいったん映像から消えるが、しばらくして同じドアから逃げ出している。
ライアンさんの元夫によると、UAE当局はライアンさんたちの子どもたちが大学を卒業するまでの教育費を全額負担する方針。容疑者が死刑判決を受けた場合はUAEの法律に基づき、元夫が遺族代表として減刑の権限を握ることになる。
アブダビの米大使館は事件の2カ月前、インターネット上にアメリカン・スクールなどの教師を狙ったテロ攻撃を促す匿名の書き込みがあったとして、現地在住の米国人らに警戒を呼び掛けていた。ただ、この時点で具体的な脅威は浮上していなかったという。