環境活動家、ナスカ地上絵に侵入しメッセージ ペルーが反発
(CNN) ペルー南部にある世界遺産「ナスカの地上絵」の立ち入り禁止とされる場所に国際環境保護団体グリーンピースの活動家が侵入し、環境保護を訴える黄色の文字のメッセージを掲げていたことが13日までにわかった。
AP通信によると、メッセージは「ハチドリ」の絵の近くにあり、英語で「変革の時! 未来は回復可能」との内容で、その下に「グリーンピース」の名前が添えられていた。
ペルー当局はグリーンピースを提訴し、活動家を刑事訴追する構えを見せている。AP通信によると、同国文化省の高官はペルー人が神聖と受け止める全てのものの顔面にまさに平手打ちが食わされたと憤慨。現場に残された足跡は数百年もしくは数千年残るだろうと活動家の行動を非難した。
メッセージの展示は、ペルーで12日に閉幕した国連の気候変動枠組み条約締約国会議(COP20)をにらんだものだった。
一方、グリーンピースは声明でペルー国民に対する謝罪を表明すると共に、今回の行動に対する強い遺憾の意を示した。ペルー政府当局者に会って謝罪や捜査に協力する意向を伝えたという。今回の行動に伴う合理的かつ公正な結果を受け入れるともした。
ナスカの地上絵は同国の首都リマから南へ約400キロのところに位置し、広さは約450平方キロ。幾何学の図形や動植物などの絵は紀元前500年から紀元500年にさかのぼるとの説がある。図形などには儀式的、天文学的な意味合いがこめられているとの指摘もある。
ペルー南部に同じくある世界遺産マチュピチュ遺跡でも今年、「ヌード」になる外国人観光客らが増え、不敬行為と反発する文化省が対応策に追われる騒ぎがあった。