1人っ子政策緩和も2人目は望まず 中国
香港(CNN) 中国で1人っ子政策が緩和され、夫婦のいずれかが1人っ子であれば2人目の子どもを持つことを認める制度が導入されてから1年。しかし実際に2人目を申請した夫婦は予想を大幅に下回っていることが分かった。
12日付の国営新華社通信によると、新制度に基づきこれまでに約100万組が2人目を申請した。制度の対象になる夫婦は中国全土で推定1100万組。保健当局は制度が発表された時点で、最大200万人の誕生を見込んでいた。
しかし北京で2人目を申請した夫婦は約3万組にとどまり、予想されていた5万人を下回った。上海や深センでも同じような状況だという。
北京に住む男性は、「子ども1人だけでも出費は相当なもの。もう1人生まれれば教育費や居住費などの経費がさらにかさむ。子ども1人を育てるだけでも私たち2人や両親は相当のエネルギーを使っている」と話す。
別の女性は2人目の妊娠を望んでいるが、自分の親に猛反対されているといい、「両親は経済的負担が増えると考えている。それに生まれた子どもの面倒を見る時間や気力は誰にもない」と打ち明けた。
高齢化する人口を支えるために産児制限を全廃すべきとの声も強まっている。IHSグローバルインサイトの経済学者ブライアン・ジャクソン氏は、「長期的な人口動態が懸念される。人口動態が経済問題の一因となっている日本に、中国がなぞらえられることもある」と指摘した。