「姦通罪は違憲」、韓国憲法裁が判断
ソウル(CNN) 韓国の憲法裁判所は26日、既婚の男女が夫や妻以外の相手と性的関係を持つことを禁じた法律を違憲とする判断を示した。
韓国ではこれまで62年の間、夫や妻以外の相手と性的関係を持った既婚男女やその相手に姦通罪が適用され、有罪になれば2年以下の禁錮を言い渡される可能性があった。
しかし判決では、「人間の尊厳および幸福を追求する権利を前提として、個人にはそれぞれ自分の運命を選ぶ権利がある」と述べ、個人の性生活は私的なものと認定。「自らの運命を選ぶ権利には、性的関係を持つ権利やパートナーを選ぶ権利も含まれる」と指摘した。
姦通罪を定めた法律は1953年に施行され、主に夫が不倫した場合を想定して、経済的、社会的立場の弱い女性を守る目的があったという。
しかし韓国の社会の変化によって「(姦通罪の)大部分は存在理由がなくなった」と判決要旨では指摘。「女性が社会的、経済的に活発になった今、もはや経済的弱者には該当しない」「加えて、同法が女性を保護していると見なすことはできない」と認定した。
判決には9人の裁判官のうち7人が同意。2人は反対意見を述べた。
同法を巡っては2008年にも裁判で争われていた。聯合通信によれば、同年以来、これまでに約5500人が姦通罪で起訴されている。