14歳少年が警官に撃たれ死亡、抗議デモ再燃 ベネズエラ
(CNN) 反政府デモが続く南米ベネズエラで、デモ隊と警官隊の衝突に巻き込まれた14歳の少年が警官に撃たれて死亡した。警官は殺人容疑で逮捕されたが、首都カラカスなど全土で25日、抗議デモが再燃している。
当局によると、少年は24日に西部タチラ州のサンクリストバルで警官に撃たれて死亡した。
目撃者や家族によれば、少年はデモに加わっていたわけではなく、現場近くの学校から下校途中にたまたま通りかかって衝突に巻き込まれた。
デモに参加していたのはほとんどが近くの大学の学生で、逃げる学生たちを警察が追う場面に少年が遭遇。少年は車の陰に身を隠そうとしたが、警官の撃った銃弾が命中したという。
事件を受けてカラカスで行われたデモでは、参加者が司法省前に集まり、少年の流血を象徴して赤く塗ったノートを掲げて抗議した。
ベネズエラ当局は少年を撃った警官のハビエル・モラ・オルティス容疑者(23)を拘束し、殺人容疑で取り調べている。サンクリストバルのデモに参加していた9人も逮捕された。
メレンデス内相は国営テレビを通じて、法に基づき警官を訴追すると約束。国民に平静を呼びかけ、昨年の衝突で死亡した43人のことを思い出してほしいと訴えた。さらに、昨年の衝突を受けて警察改革を断行したと述べ、国家警察は人権を守るためにあると強調している。
一方、マドゥロ大統領は少年が死亡した経緯について、若者の集団が暴徒化し、警官を殴ったりロケット弾を投げたりなどしたため、警官が武力で応じたと説明した。