ISIS、シリア北部でキリスト教徒数十人を拉致
(CNN) シリア北部で24日、イスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」がキリスト教を信仰する少数民族アッシリア人の村を襲撃し、住民数十人を拉致した。
在スウェーデンの「アッシリア人権ネットワーク」の設立者、ウサマ・エドワルド氏がCNNに語ったところによると、ISISは同日午前4時ごろ、アッシリア人の村タル・シャミラムを襲撃。警備に当たっていた男性数人を倒し、子どもや女性、高齢者を連れ去った。周囲の村の住民も合わせ、70~100人が拉致されたという。
さらに約700人の住民が村を追われ、このうち600人が北部の町ハサカの大聖堂に避難した。
英ロンドンに拠点を置く「シリア人権監視団」は、ISISがアッシリア人90人を拉致したと報告。「信頼性のある情報筋」の話として、「タリ・シャミラムだけで56人のキリスト教徒を拘束した」との無線通話が傍受されたと述べた。
シリア人権監視団はまた、別の村の住民2人が、クルド人にかかわったとの理由でISISに処刑されたと伝えた。シリアやイラクのクルド人部隊はISISと激しい戦闘を続けている。
シリアのアッシリア人は長期に及ぶ内戦の影響やISISの脅威にさらされ、食料や水、毛布などの必需品にも事欠く生活を強いられているという。
イラクでも昨年夏、北部モスル近郊のアッシリア人の町、カラコシュがISISに制圧された。