ISIS覆面男からのメール、英人権団体が公開
一方、英国のメディアが法廷文書から得た情報として伝えたところによると、エムワジ容疑者はアフリカ東部ソマリアのイスラム武装勢力「シャバブ」への資金提供や勧誘活動で知られるロンドン市内の集団のメンバーだった。5年間以上にわたり英当局の監視対象となっていたが、13年に姿を消した。友人らによれば、この時期に名前を変えてシリアへ渡ったとされる。
専門家らの指摘によると、当局は10年の時点で、エムワジ容疑者がソマリアでシャバブに参加しようとしているとの疑いに基づき、クウェート行きを阻止したとみられる。
CAGEに先立ち、英紙デーリー・メールもこのほど、エムワジ容疑者が10~11年にかけて同紙編集者へ送ったとされるメールの抜粋を公開した。
同容疑者はメールの中で警察や情報当局に追い回されていると訴え、自殺願望を示唆。「殺されるのが怖いというより、いつか自分が永遠に眠れるよう大量に薬を飲んでしまいそうで怖い。とにかくこの人たちから逃れたい」と書いていた。
メールのあて先となっていた編集者は、10年に同容疑者を取材した時の印象として、妄想に近い恐れやゆがんだ被害者意識を抱いているようだったと指摘する一方、「後にシリアで犯した残虐な殺人行為が、それによって正当化されることは決してない」と強調した。