ISIS覆面男からのメール、英人権団体が公開
(CNN) イスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」による人質殺害ビデオに繰り返し登場している覆面姿の男、通称「ジハーディ・ジョン」が数年前、英人権団体に送っていたとされる電子メールが公開された。英当局から不当な扱いを受けたとの主張が書かれている。
覆面の男はクウェート生まれの英国人、ムハンマド・エムワジ容疑者と特定されている。英国でイスラム教徒の人権擁護活動を展開する団体「CAGE」によると、エムワジ容疑者は2010年、同団体に助けを求めるメールを何通か送っていた。
このうち同年6月3日付のメールでは、クウェートへの渡航計画を英当局に阻止されたと主張。空港で拘束され、6時間に及ぶ取り調べで指紋採取や身体検査を強要されたうえ、暴力的な扱いも受けたと訴えている。
メールにはさらに「出身地のクウェートで仕事や結婚相手も見つけ、新たな生活を始めようとしていたのに、まるで犯罪者のように扱われた」「もう英国にはいたくない。助けてほしい」と書かれていた。独立警察苦情委員会(IPCC)にも正式に訴えたとしている。
しかしCAGEの報道担当者によれば、こうした主張を立証することは難しい。IPCCは、取り調べが行われた部屋にカメラは設置されていなかったと説明しているという。
CNNはこの件について英当局への取材を試みたが、返答は得られなかった。