イラン核協議 期限目前も対立点残る、合意に暗雲か
スイス・ローザンヌ(CNN) ローザンヌで開かれている核開発問題をめぐるイランと欧米など6カ国の協議で、米政府高官と欧米の外交筋は28日、複数の問題でイラン側の姿勢が軟化せず、交渉は難航しているとの見方を示した。
「枠組み合意」に関する交渉は3日目で、期限は今月31日まで。各国外相も協議に加わっている。米政府高官などは、一部の問題での意見対立は合意成立を脅かしかねない状況になっているとの危機感も表明した。
イランが譲歩を拒絶しているのは、枠組み合意後も認められる先端的な核開発研究の範囲と欧米諸国が打ち出している経済制裁の緩和のペースの問題など。
欧米の外交官は、イランの代表団は一時帰国で突き上げをくらったとも見られ、より強硬な立場で戻ってきたと説明。27日の交渉では欧米などが終日、イランに譲歩を迫ったが、妥協の姿勢を一切示さなかったという。
イランのザリフ外相はローザンヌでフランスのファビウス外相やドイツのシュタインマイヤー外相と会談後、交渉は前進しているとの見方を表明。ただ、経済制裁問題が協議の進展の障害であることを示唆し、「制裁、圧力と合意成立は共存しないことを理解したと信じる」と述べた。
ザリフ外相は28日にはケリー米国務長官と会談予定。長官は27日にもイラン側代表団と交渉した。この日の折衝について米側は「厳しく、非常に真剣なやりとりがあった」と明かした。
イランと6カ国は2013年11月、一時的なウラン濃縮活動の制限などを盛り込んだ「第1段階の合意」を妥結。枠組み合意が達成されれば、次は「最終合意」の交渉へ進む段取りとなっている。