イラン軍機が米海軍ヘリに異常接近 ペルシャ湾上空
ワシントン(CNN) ペルシャ湾上空で先月、米海軍のヘリコプター「MH-60Rシーホーク」にイラン軍機が異常接近し、米軍側が懸念を抱いていたことが1日までに明らかになった。
米軍当局者がCNNに語ったところによると、海軍の武装ヘリは通常のパトロール任務のため、空母カール・ビンソンから発進して国際空域を飛行していた。
そこへ非武装のイラン軍観測機が接近し、2度にわたってヘリから50メートル圏内の至近距離を通過した。ヘリはイラン側に誤解を与えないよう注意しながらこの空域を離れた。
こうした危険な飛行は偶発的に事態を招く恐れもあると、米軍当局者らは懸念している。
海軍はこの模様を撮影したが、画像の公開は予定していない。米政権は外交筋を通した抗議を検討しているという。
同当局者によれば、イラン軍はこの数カ月、作戦や演習を実行する際も常識的な態度を示してきた。今回の飛行は軍指導部からの指示ではなく、地方の司令官が勝手に命じた可能性がある。
米海軍の情報部門によると、イラン軍の観測機は通常なら月に数回発進するはずだが、この一件以来2週間以上姿を見せていない。危険な飛行を指示した司令官が処分を受けたとも考えられる。米軍内では、イラン軍指導部の統率力を不安視する声も上がっている。
米海軍は最近、イエメンのイスラム教シーア派武装組織「フーシ派」に武器を供給しているとされるイラン船を監視するため、アデン湾などの監視を強化している。