ムンバイ同時テロの首謀者、パキスタンで保釈 インドは反発
(CNN) インド西部ムンバイで2008年11月に起きた同時テロの首謀者として数年にわたりパキスタンで拘留されていたザキウル・レーマン・ラクビ司令官が保釈されたことが11日までに分かった。同司令官がリーダーを務めるイスラム過激派組織「ラシュカトレイバ」の福祉部門「ジャマートゥル・ダワ」の広報担当者が明らかにした。
ラクビ司令官は09年、160人以上が死亡したムンバイ同時テロを首謀したとしてパキスタンで起訴されていた。同国の裁判所が昨年、保釈を認めていたが、パキスタン政府が異議を申し立てていた。CNN系列局GEOニュースによれば、保釈金は200万ルピー(約240万円)。
隣国のインドは10日、保釈に関してパキスタン政府に抗議。同国外務省の報道官は、「パキスタンがテロリストの扱いについて二重政策を行っているとの印象を増幅させた」と述べ、インド国内で行われたテロに対する処分が甘いことに懸念を表明した。
一方、パキスタン外務省は、「パキスタンでは現在、テロとの戦いが重要な局面に入っており、テロ対策におけるパキスタンの姿勢を批判するのは適切ではない」と反論している。
ムンバイの同時テロでは高級ホテルなど市内のビル数カ所を武装集団が襲撃。実行犯は1人を除いて、3日にわたって行われた襲撃中に死亡。残りの1人も2012年にインドで処刑されていた。