空爆逃れてイエメン脱出、「地獄の航海」経てアフリカへ
ジブチ(CNN) 孫娘をひざに乗せた女性は、その頬の涙をスカーフでぬぐっていた。まだ生後数カ月。空爆が始まった夜、イエメン南西部ビリム島のモスクで夜通し孫娘の耳をふさごうとし続けた。爆音が鳴り響くたび、孫娘は泣き叫んだ。
イエメンでサウジアラビアが空爆を開始して以来、何千人もの市民らが激しい爆撃を逃れ、海を渡って対岸のアフリカ東部ジブチに避難している。
アミナ・アリ・カシムさんはミサイルが着弾する直前に自宅から避難して、最悪の事態は免れた。「近所の人が夫に『すぐに避難を』と叫び、私たちは夢中で逃げた。家を離れた直後、すぐ近くに1発目のミサイルが、続いて2発目が落ちた。地上の物は全部燃えた」と振り返る。
日が昇るとほかの3家族と共に、一家でビリム島を出港。25人を詰め込んだ小舟は、バブ・エル・マンデブ海峡を渡って対岸のジブチを目指した。
原油タンカーや貨物船が頻繁に往来する同海峡は今、イエメンからの難民を乗せた粗末な漁船が押し寄せる。