難民船また遭難、４０人死亡か　５日間で８千人救助

ロンドン（ＣＮＮ） アフリカ各地の紛争を逃れ、欧州を目指していた難民数十人が船から転落する事故がまた発生した。死者は約４０人に上ると見られている。国際援助団体のセーブ・ザ・チルドレンが生存者の証言として５日に明らかにした。

地中海では難民を乗せた船の遭難が後を絶たず、今年だけで既に数千人が命を落としている。

セーブ・ザ・チルドレンが生存者の話として伝えたところでは、地中海を航行していた商船が３日、小船を救助しようと近付いたところ、それを見て数十人が海に転落し、泳ぐことができずにおぼれたという。同船には１００人以上が乗っていたとされ、死者は４０人に上る可能性もある。

この商船は３日以来、同船も含めて２隻を救助していた。それぞれ１００人以上が乗っていたとされ、生存者は全員が５日、イタリア・シチリア島のカターニアに到着した。

これまでに確認された乗船者はガーナ、ガンビア、セネガル、コートジボワールの出身だったといい、１８歳以下の未成年者が少なくとも３０人、５～７歳の幼児も２人いた。

イタリアの沿岸警備隊は、３日に地中海の３カ所で行った救助活動で１０人の遺体を回収したとしている。現在も６カ所で救助活動を継続中で、救助した難民は１～５日だけで８３００人に上る。

国連難民高等弁務官事務所によれば、今年に入って欧州と北アフリカ、中東周辺の海上で死亡したり行方不明になったりした人は、４月中旬までに１７００人を超えていた。