ISIS、イラク首都近くの州都制圧の勢い 庁舎に組織の旗
(CNN) イラク西部アンバル州の州都ラマディの治安当局筋は16日までに、イスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が同市に攻勢を掛け、攻略に成功する勢いを見せていると述べた。
警察本部や主要なモスク(イスラム教礼拝所)を制圧し、同州政府庁舎にISISの旗を掲げたという。治安当局筋によると、侵攻は14日に始まり、装甲ブルドーザーを使い、少なくとも10件の自爆攻撃を仕掛け、ラマディ市周囲のゲートや防護壁を突破。この後、数十人の戦闘員が侵入したという。
同市を巡る攻防は過去数カ月間続いている。ラマディはイラクの首都バグダッドの西へ約113キロ離れた地点に位置し、ラマディが陥落した場合、首都の治安維持に大きな懸念が生じる。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は先に、今年4月だけでラマディ市民約11万4000人がバグダッド中心に市外へ避難したと報告していた。
米政府当局者はラマディ市情勢に触れ、極めて流動的な状況にあるとの認識を表明。イラク軍が市中心部の大半を押さえ、ISISが郊外地域を制する五分五分の攻防になっていると分析した。