有志連合、ISIS戦闘員1万人超を殺害 米国務副長官
パリ(CNN) 米国務省のトニー・ブリンケン副長官は4日までに、米国が主導する有志連合の攻撃によって、作戦開始以来の9カ月でイスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の戦闘員1万人以上が死亡したとの見方を明らかにした。
パリでは2日、イラクのアバディ首相も出席して、ISIS撲滅作戦の進捗(しんちょく)状況を話し合う有志連合の閣僚級会合が開かれた。
ブリンケン副長官は会合後に行われたフランスのラジオ局のインタビューで、イラク軍は有志連合の援護を受けてISISに対峙できるのかとの質問に答えて、ISIS側の死者は1万人を超すと述べ、「いずれ効果が出るだろう」と語った。
米情報当局者によれば、中央情報局(CIA)はISISの戦闘員数を計2万~3万2000人と推定している。戦闘員が死亡しても、シリアやイラクの国内外での勧誘を通じて十分に補充できる状況だという。
ブリンケン副長官はまた、イラク・ラマディの陥落によって有志連合の作戦に対する懸念が強まっていることについて、「現時点で我々には重要な進展がある。しかしISISは回復力が極めて強く、作戦能力が高いのも事実だ」と指摘した。
2日の会合には有志連合に参加している60数カ国のうち24カ国が出席。装備の提供や空爆などを通じた軍事支援の継続を約束するとともに、イラク政府に対し宗派対立の解消を促す内容の共同宣言を発表した。