アフガン、パキスタンの戦争犠牲者14.9万人 米大学推計
(CNN) 2001年9月の米同時多発テロ以降、アフガニスタン、パキスタン両国での戦闘に関連した死者は推定で計14万9000人、重傷者は同16万2000人に上っていることが、米ブラウン大学の新たな研究で分かった。
ブラウン大学のワトソン研究所が「戦争の代償」と題したプロジェクトの一環として、国連や赤十字など国際機関のデータに基づく研究をまとめた。
それによると、民間人の死者はアフガンで約2万6270人、パキスタンで2万1500人に達した。アフガンでは武装勢力の攻撃による死者が大半を占めるが、12年以降は国軍や国際部隊の戦闘に巻き込まれた犠牲者も増えているという。
アフガンでは同時テロを受けた米主導の軍事作戦でタリバーン政権が崩壊したが、タリバーン勢力はその後もテロ活動を継続。隣国のパキスタンにも難民や武装勢力が流れ込んでいる。研究チームを率いるネタ・クロフォード氏は「戦争が両国に及ぼしている影響には密接な相互関係がある」と指摘する。
同氏はまた、こうした影響には都市基盤の破壊や避難民の増加、栄養失調や病気による死者も含まれると強調。「市民の健康状態への間接的な影響は、戦争が終わった後も続く。両国の保健事業を長期的に支援し続ける必要がある」との見方を示した。