米、戦争勃発時の計画を再検討 朝鮮半島の危機で
(CNN) 朝鮮半島での最近の緊張の高まりで、米国防総省が戦争勃発の事態を懸念して北朝鮮側の兵力配備を深刻に受け止め、米軍戦力の動員など韓国防衛のための軍事力行使計画を見直していたことが27日までにわかった。
必要になった場合に迫られる米軍戦力の動員の進め方などを検討したという。
複数の米政府当局者によると、米国は北朝鮮による兵力移転などの動きを重大視。特に、金正恩(キムジョンウン)第1書記が韓国に対し期限を切って軍事放送の拡声機撤去を求め、応じなければ軍事行動に出ることを威嚇した行動に危機感を募らせたという。
北朝鮮のこれらの動向を受け、米軍内や米韓の軍当局間では戦闘勃発に備えた対応策を練る緊急の協議が複数回持たれた。米軍が軍事的対応に踏み切る判断材料とする北朝鮮側の行動の内容についての議論も行った。韓国側に対しては緊張緩和も促す努力も求めたとしている。南北間の今回のにらみあいは韓国兵士が負傷した地雷爆発事件や拡声機問題などに根差していた。
米国の衛星画像分析や入手した諜報(ちょうほう)によると、北朝鮮側は先週末、限定的ながらも兵力を移動させる動きを示した。航空機接近を警戒する対空レーダー網の一部を作動開始、南北軍事境界線近くへの砲門の追加配備などが含まれる。砲門はソウルを含む韓国側の人口密集地帯に打撃を加えられるとの懸念は従来からある。