メッカの大モスクでクレーン倒れる、107人死亡
(CNN) サウジアラビア西部メッカにあるイスラム教の聖地カーバ神殿を囲む大モスクで11日午後、激しい雷雨の影響でクレーンが倒れ、少なくとも107人が死亡、231人が負傷した。サウジの民間防衛当局が同日、短文投稿サイトのツイッター上で明らかにした。
サウジ国営テレビが当局者の話として伝えたところによると、クレーンが倒れたのは現地時間同日午後5時23分。CNNの気象専門家は、午後4時ごろには激しい雷雨が現地を襲い、風向きの変わる強風も発生していたと指摘。気温も摂氏42度から25度まで下がる状況だったという。
日没礼拝に向かっていた男性は、クレーンが倒壊しモスクの屋根に衝突する様子を撮影。砂嵐が暴風雨へと変化する中、建築現場の保護板が飛ばされ、多くの破壊音がして悲劇が起きたと語った。建物内部にいた人々は出口に向かって殺到したという。
ソーシャルメディア上の写真には、遺体や血、がれきが散乱する光景が捉えられている。
地元紙サウジ・ガゼットの編集者は、クレーンが倒れたのはモスクに人が集まる時間の合間だったと指摘。時間帯によっては、死者の数が1000人を超えていた可能性もあると述べた。
10日後には毎年恒例の大巡礼「ハッジ」が控えており、今年は200万人がメッカに訪れる見込み。クレーンは巡礼者を迎えるモスクの拡張工事のためモスク周辺に設置されていたものだったという。
このモスクでは過去にも悲劇があった。2006年には人々が将棋倒しになり363人が死亡したほか、04年と1998年にも数百人が死亡。90年には1426人が死亡している。