印首都のデング熱、近年で最悪の被害 治療後手で死者相次ぐ
米ブランダイス大学が昨年公表した調査報告書は、インドの病院の診断でデング熱感染が確認された患者は06〜12年の間、毎年600万人と報告。治療費は毎年5億4800万米ドル(約663億円)としている。
ニューデリー市内の保険衛生設備は貧弱とされ、中央政府から補助金を受ける4つの病院には毎日、数千人の患者が訪れ対応出来ない状況に苦慮している。
首都では急速な都市化が進み、農村部では仕事を求めて都市へ移住する住民が増えている。基本的な都市基盤整備も遅れている。インドはアジアで第3位の経済規模を誇るが、公共衛生に投じる予算は現在、国内総生産(GDP)の1%となっている。
インドの幼児の死亡率や栄養不良の比率は高く、当局によると出産中もしくは出産直後に亡くなる母親、新生児はそれぞれ毎年約5万人、130万人。読み書きが出来ない多数の住民、貧困、貧弱な衛生設備や栄養摂取が疾病発生の原因とも指摘されている。