イエメンで拘束の米人質ら6人が解放 オマーン仲介
(CNN) 中東イエメンでイスラム教シーア派武装組織「フーシ」の人質となっていた米国人2人が20日、解放されて隣国オマーンに到着した。同時に英国人やサウジアラビア人の人質も解放された。
米ホワイトハウスによると、米国人らはオマーン政府機で同国の首都マスカットに到着し、米領事館職員の出迎えを受けた。
フーシには米国人がもう1人拘束されていた模様だが、3人目の所在は明らかでないという。
英当局者がCNNに語ったところによると、このほか英国人の人質1人が解放された。オマーンの国営テレビは、サウジアラビア人3人の解放も伝えている。これに先立ち、イエメンの首都サヌアに駐在する外交関係者は、米国人3人とサウジアラビア人2人、英国人1人の計6人が空路オマーンへ向かうと述べていた。
米政権高官の話によると、解放された米国人のうち1人は米ルイジアナ州に本社を置く運送会社の従業員(45)。イエメンの治安悪化を受けて国外へ脱出するため知人男性に助けを求めたが、今年3月、2人とも脱出を果たす前にサヌアで拘束された。
人質解放はオマーンの仲介で実現した。米国のケリー国務長官は20日の声明でオマーン政府に感謝の意を表し、「外国で不当に拘束されている米国人全員の解放に努める」との姿勢を改めて強調した。
イランの支援を受けるフーシは今年1月にサヌアを掌握し、ハディ暫定大統領を追放した。欧米諸国はサヌアの大使館を閉鎖し、米軍特殊部隊も撤収。3月にはサウジ主導の有志連合軍がフーシ拠点への空爆を開始した。国連安全保障理事会は4月、フーシに制圧地域からの撤退を求める決議案を採択した。
国連の仲介による和平交渉が近く予定されているが、ハディ暫定大統領はフーシがサヌアから撤退するまで交渉には応じないと主張している。