イラン最高指導者、巡礼事故でサウジに「容赦ない」対応示唆
(CNN) イランの最高指導者ハメネイ師は1日までに、サウジアラビア西部のメッカ郊外で巡礼者ら700人以上が折り重なるなどして死亡した事故について、遺体の帰国の遅れを非難するとともに、サウジに対し「容赦なく厳しい」報復を行う用意があると述べた。
イラン国営プレステレビによれば、ハメネイ師は軍の学校で「サウジは義務を果たしていない」と述べたという。
またハメネイ師は「もし何らかの反応を見せることを決断するとすれば、われわれの反応は容赦なく厳しいものになるだろう」と発言したという。
先月24日の事故後、イランとサウジは非難合戦を繰り広げている。
サウジのジュベイル外相は28日、中東の衛星テレビ局アルアラビーヤとのインタビューで、イランが事故を政治利用していると非難。また、イランが内戦状態にあるイエメンに武器を供給したり、シリアのアサド政権に肩入れをして中東の混乱をあおっていると述べた。
これに対しイラン外務省は29日声明を出し、サウジによるシリアやイエメンへの軍事介入を非難した。
外務省報道官は声明で「イスラム教国の数千の巡礼者が(サウジ側の)慎重さの欠如の犠牲になっていたちょうどそのころ、イエメンでは結婚式場での空爆で何百人もの市民が殺された」と主張した。
サウジ主導の有志連合軍はイエメンのイスラム教シーア派武装組織「フーシ」への空爆を行っている。フーシ側のメディアは28日のサウジ側の空爆で結婚式に出席していた131人が死亡したと報じているが、サウジは関与を否定している。
また30日にサウジ主導の有志連合軍は声明を出し、イエメンに武器を密輸しようとしていたイラン船を拿捕(だほ)したと発表した。